- 2025年1月9日
- 2025年1月11日
病院で測ると血圧が高い
血圧には、医師や看護師が診察室で測定する「診察室血圧」と、自宅で本人が測定する「家庭血圧」があります。診察室で測ると緊張して血圧が上がってしまう「白衣高血圧」はよく知られていますが、反対に普段は血圧が高いのに、診察室では低い「仮面高血圧」の人もいます。
家庭血圧の測定が役に立つ
最近、医療機関で血圧を測るより、自宅で本人が測る方が血圧値の信頼度が高いことがわかってきました。医療機関では日常の環境とは異なる状況での測定のため、変動する血圧の1時点をみており普段の血圧を必ずしも反映しない場合が多く、より正確に自分の血圧の状態を知るには、家庭での測定が大切になってくるのです。
仮面高血圧の人は発見されにくいため、治療によりきちんと血圧コントロールができている人に比べ、脳卒中や心筋梗塞のリスクが約3倍も高いことがわかっています。また、家庭血圧は問題なくても医療機関受診時に血圧が高いために薬が増えてしまい、普段の血圧が下がり過ぎている(過降圧といいます)状態になる方もいます。
診察室血圧と家庭血圧にズレある場合、医師は家庭血圧を優先して治療方針を決めるのが最近の考え方です。
正しい家庭血圧の測り方
・上腕で測るタイプの血圧計で測る(手首式のものは測定法に注意が必要)。
・朝と晩に測る
朝:起床後1時間以内(排尿後、食事前・服薬前)
晩:就寝直前(排尿後、布団に入る前)
・イスに座り、1〜2分安静にして測る。
・腕を少し上げ、マンシェット(腕帯)を心臓の高さに保ち測る。
・2回測定し平均をとる。必ず記録する。
糖尿病の患者さんはもちろん、血圧が高めで気になる人も家庭血圧を定期的に測定し、自分の血圧の状態を把握して、生活習慣を改善し、脳や心臓の病気の予防に努めましょう。