• 2024年11月29日

糖尿病の原因 インスリンの作用(働き)

糖尿病は、インスリンの作用(働き)の不足が原因で生じます。

インスリンの作用が不足する原因には、以下の2つがあります。

1)インスリンを作る「工場」である膵臓β細胞からのインスリンの分泌が減ってしまうこと(インスリン分泌能低下)

2)肝臓・筋肉・脂肪組織などで、インスリンの働きが悪くなること(インスリン抵抗性)

 インスリン分泌能の低下には遺伝的要素が大きいと考えられており、例えば両親のどちらかが糖尿病だと子供が発症する可能性が高くなります。

 インスリン抵抗性は、食べ過ぎや運動不足により、肥満(特に内臓に悪い脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満)が起こり、インスリンの効きが悪くなることが原因となります。

 この2つの原因が合わさって発症するのが2型糖尿病で、日本人の90%以上がこのタイプです。患者さんそれぞれでどちらの要素が大きいかは異なります。治療薬にはインスリン分泌を増やす薬とインスリン抵抗性を改善する薬があり、患者さんの病態を適切に把握して治療法を決めることが重要です。

一方、免疫機能の異常により発症すると考えられているのが1型糖尿病で、膵臓のβ細胞が破壊されインスリンがほとんど分泌されないタイプです。主に小児から青年期に起こりますが、高齢者でも発症することがあります。治療にはインスリン注射が欠かせません。

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